石見 沙紀

【最新情報】AppSheetの新ライセンスが登場!「AppSheet User Pass」について

【最新情報】AppSheetの新ライセンスが登場!「AppSheet User Pass」についてサムネイル画像

2025年3月14日、 AppSheet Communityで、新ライセンスの発表がありました。AppSheet User Passと名付けられたこの新ライセンスは、これまでのAppSheetライセンスが抱えていた課題を解決できる可能性を秘めた画期的なライセンスです。

これまでのFree・Starter・Core・Enterprise Plusといったライセンスはアプリの開発者と利用者が同等のライセンスをもっていることが前提とされていました。そのため、Enterprise Plusの機能が必要なアプリを利用する場合には、利用者の人数分のEnterprise Plusライセンスを購入する必要があり、予算感がマッチしないケースもあったのではないでしょうか。

また、これまでのライセンスでは外部ドメインのAppSheetユーザや、AppSheetライセンスをもたない不特定多数のユーザにアプリを利用してもらう方法が限られていました。
External UserライセンスやPublisher Proライセンスをアドオンとして購入することで実現可能でしたが、購入方法が煩雑という課題がありました。

しかし、今回の「AppSheet User Pass」を活用することで、これらの課題を解決することができます。これまで、AppSheetを利用するにあたって、ライセンスアップグレードの負担や外部ドメインへの共有がボトルネックになっていたユーザーにとって、とても素晴らしい発表だと感じています。

それでは詳細について解説していきます。

公式の発表はこちらからご確認ください
Introducing AppSheet User Pass | AppSheet Community

AppSheet User Passのメリット

これまでアプリにアクセスできなかったユーザーもアプリ利用が容易になる。

AppSheet User Passを利用することで、 AppSheet Enterprise PlusのライセンスをもっていないユーザでもEnterprise Plusの機能をもつアプリを利用できたり、
外部ドメインに対してAppSheetアプリを共有しての利用も可能になります。

そのため、これまでよりもAppSheetアプリの利用範囲を拡大させることが可能です。
例えば以下のようなケースでAppSheet User Passが活躍します。

  1. Big QueryやCloud SQLと接続しているアプリやOCR機能を搭載したアプリをAppSheet Coreライセンスのみをもっているユーザに利用させる

  2. 社内で開発したアプリを取引先などの外部ドメインと共有してコミュニケーションツールとして利用する

  3. 申請書や報告書など、特定のアプリを開発者以外の現場従業員が利用して業務の効率化を改善する

個別のライセンス割り当てが不要

AppSheet User Passは購入したライセンス数がプールされ、利用されることで自動的に消費されていきます。Google管理コンソール上で個々のユーザーに割り当てる必要はありません。

 

AppSheet User Passの消費方法

AppSheet User Passは1ユーザー・1アプリに対して1ライセンスがプールから消費されます。そのため1ユーザーが複数のアプリを使用する場合には、アプリ数分のライセンスを事前に購入しておくことが必要になります。

これは、例えば従業員が100人いても毎月50人が1アプリしか使わないのであれば50ライセンスの購入で運用できるなど、無駄を省いた運用が可能です。

AppSheet Usre Passライセンスは、ライセンスが必要なアクセスがあった場合に消費されます。

例えばEnterprise Plusの機能を搭載しているアプリにCoreライセンスのユーザーがアクセスした場合、User Passライセンスを消費します。一方で、Coreライセンスのユーザーが同一ドメイン内のCoreの機能で作成されたアプリにアクセスした場合は、User Passライセンスは消費されません。

AppSheet User Pass

AppSheet User Passの注意点

AppSheet User Passの利用に際してはいくつかの注意点があります。

  1. User Passではアプリの編集や構築はできない
    「開発されたアプリを利用するだけ」のライセンスのため、編集や構築はできません。

  2. User Passはアプリごとに消費される(複数アプリにアクセスする場合は複数消費される)
    Enterprise Plus が$20/ユーザ・月であるため、各ユーザが毎月確実に4アプリ以上使う場合はEnterprise Plusを契約することを推奨します。

  3. プール式で月ごとにリセットされる
    未使用のライセンスがあっても、翌月に繰り越すことができないため、ライセンスの購入数には注意が必要です。

 

AppSheet Core・Enterprise PlusライセンスとUser Passライセンスの違いを表にまとめると以下のようになります。

 

Core

Enterprise Plus

User Pass

ライセンス形態

ユーザーごとに
割り当て

ユーザーごとに
割り当て

購入分がプールされ、ユーザー・アプリごとに消費

月額

$10/user *1

$20/user

$5/user・app

アプリの開発

✔️

✔️

できない

Coreアプリの利用

✔️

✔️

✔️

Enterprise Plusアプリの利用

できない

✔️

✔️

外部ドメインユーザーによるアプリ利用

できない

✔️

✔️

*1 AppSheet Coreライセンスは多くのGoogle Workspaceライセンスに無料で付帯しています。

 

AppSheet User Passライセンスの購入方法

AppSheet User Passライセンスは、Google Workspaceの管理コンソール からサブスクリプションとして購入できます。

購入したライセンス数に対して消費したライセンス数が近づいてきた場合には、追加購入が可能です。
追加したライセンスは、最低1年の契約で月々の支払いプランに追加されます。
月の途中で追加のUser Passライセンスを購入する場合は、日割り計算で請求されます。

AppSheet User Passの消費量は、管理者権限をもつユーザーが、My Appsの右上のaccount iconからアクセスできるAdmin console(管理コンソール)から確認することが可能です。

まとめ

このたび発表された「AppSheet User Pass」ですが、今後、AppSheetを活用していきたい企業にとって朗報なのではないでしょうか。

とくに、これまではAppSheet Enterprise Plusで作られたアプリを利用する場合でも、
同等のライセンスを購入する必要があり、また外部ドメインへのアプリ共有のハードルはとても高かったと感じています。

しかし、このAppSheet User Passの登場によって、利用するだけのユーザのライセンス費用を抑えられ、さらに高機能なアプリを社内外で利用できるため、AppSheetを活用していきたいと検討している場合においても有効です。

ぜひ、AppSheet User Passを使って、AppSheetの活用促進に繋げていただけたら嬉しいです。

 

石見 沙紀
石見 沙紀
吉積情報株式会社 アプリケーション開発部 AppSheet 担当 飲食業界からIT業界へ。IT業界未経験でもできる! AppSheet エバンジェリストになるべく日々活動中です!
Google Workspace vs. Microsoft 365 徹底比較! ~ Gemini で加速する生成AI時代の働き方~

14:00-15:00 オンライン

Google Workspace vs. Microsoft 365 徹底比較! ~ Gemini で加速する生成AI時代の働き方~

詳細はこちら

AppSheet ハンズオンセミナー~ノーコードでタスク管理アプリを作ってみよう!~

11:00-12:00 オンライン

AppSheet ハンズオンセミナー~ノーコードでタスク管理アプリを作ってみよう!~

詳細はこちら

中小企業のためのDX推進!GAS×生成AI活用術セミナー

11:00-12:00 オンライン

中小企業のためのDX推進!GAS×生成AI活用術セミナー

詳細はこちら

データはすべてドライブへ!Google ドライブ運用まるわかりセミナー

14:00-15:00 オンライン

データはすべてドライブへ!Google ドライブ運用まるわかりセミナー

詳細はこちら

Gemini と NotebookLM でビジネスを加速! ~ Google Workspace との連携で実現する、生産性向上と DX 推進~

14:00-15:00 オンライン

Gemini と NotebookLM でビジネスを加速! ~ Google Workspace との連携で実現する、生産性向上と DX 推進~

詳細はこちら

オンラインセミナー開催中

お申込みはこちらをCheck!

関連する他の記事をよむ