スペシャル対談②|Google Workspaceの組織導入はなぜ失敗するのか


大人気 Youtuber にっしー氏×Google 認定のエバンジェリスト丹羽の本音対談が実現!Google Workspace を二人が語り尽くす!

牛乳屋2代目社長でありながら Google Workspace のYouTube動画数日本一のcooker8のG神こと西原 亮さんと、当社吉積情報所属 でGoogle 社から認定を受ける国内でも稀有な Google Workspace 専門の変革エキスパートエンジニアの丹羽 国彦のスペシャル対談第一弾の様子を掲載。

画面向かって左

丹羽 国彦(Yoshidumi)

丹羽 国彦(Yoshidumi)

Google Workspace Authorized Trainner |吉積情報

当Yoshidumi(吉積情報)の Google Workspace の最高技術責任者・業務変革のスペシャリスト。国内でも僅かなGoogle から正式に認定を受ける国内有数の Google Workspace に特化した Authorized Trainner として大規模な企業への導入や他パートナーへの支援を行っている。

画面向かって右

西原 亮(cooker8 G神)

西原 亮(cooker8  G神)

Youtuber|明治クッカー 代表

慶應義塾大学卒業後、コンサルティング会社へ務めるも、父の家業であった牛乳屋さんを引き継いで現職は株式会社明治クッカーの2代目社長。
GoogleWorkspaceをメインに、前職のコンサルティング会社の知見を元に明日から使えるビジネスの情報を伝えるYoutubeチャンネル cooker 8(クッカーエイト)を運営する「G神」。
https://www.youtube.com/c/cooker8/featured

Google Workspace を組織で運用するということ

西原(cooker8)

西原(cooker8)

僕の方では、このYoutubeチャンネルで、各 Google Workspace のアプリの使い方、こんなふうに使ったらめちゃくちゃ便利だよってことを伝えているんですが、丹羽さんはこれまでいろんな企業様にGoogle Workspaceを実際に導入されてきたと思います。

僕からは今まで、組織で運用するという観点の話をしてこなかったので、今日はそこに着目してお話していきたいなと思います。

情報システム部のご担当者様、経営者の方も必見です!

丹羽(Yoshidumi)

丹羽(Yoshidumi)

Google Workspace に限らず、かもしれませんが、やっぱりシステム移行・導入して、それがうまく定着する組織(企業)とそうでない場合は大きく別れます。

端的に言ってしまうとやっぱりツール導入・移行をされる担当部署・担当者の方の考え方、理解度やそもそものプロジェクトの目標、とかが全て決めてしまう現状があり、、、

つまり担当者の方の目的意識・会社に対しての自発的なモチベーション・マインドがかなり影響するのは否めないのですね。

例えば、私たちが「Google はこういう考えでこうした設計になっている」とご説明しても、あまり積極的にはなってくださらないというか、ご担当者の方で「いやいや、うちの社員は(リテラシーが低いから)決してそんな使い方しないし、無理。」みたいなところで話を終えてしまう場合があるんですね。

もちろん我々の力不足もきっとあるかもしれないのですが、本質的なツールの持ち味やそこの根底にあるカルチャー・考え方、みたいなものをまずは少なくともご担当者の方やプロジェクトメンバーの皆さんが理解できていない、あるいは理解しようとしないと、何も変わらない結果になりがちです。

今までの古いITの考え方や「今こうしているから」の延長線で、すべて物事を考えてしまうと、Google Workspace のすべてが「機能が足りない」であったり不要な機能に見えてしまうのです。

西原(cooker8)

西原(cooker8)

僕も企業さんからの問い合わせを受けて、いくつか Google Workspace の相談のやりとりをしたことがあるんですけれど「(以前のツールにはあった)こういう機能が欲しい」みたいなことをやはり頻繁に聞きますね。

Google Workspaceってすごくシンプルじゃないですか。だから、いろんな機能を足したくなるって気持ちはめっちゃくちゃわかります。

「もうGoogle Workspaceでできないことは、やらないようにしよう」

丹羽(Yoshidumi)

丹羽(Yoshidumi)

そうした要望が決して間違っているとかではないのですが、私として、そうした質問の多くはコンセプトが違うものに、無理やり別の機能を追加してほしい、といっているのに近い感覚に聞こえるんですね。

例えば、シンプルが最大のメリットであるLINEのアプリに、「もっと高機能でニッチな機能を追加して複雑にしてほしい」って言っている感じに近いんです。

そもそも各ツールには、開発者が設計した本質的なコンセプトや価値があります。

Google でいえば、世界のスーパーエンジニアが集った上で、その中でさらにいろんな検討を重ねてリリースしているわけですよね。

そこには「足りない」のではなく「必要ない機能はあえて実装しない」機能も多いわけです。設定された使い方とそれているような機能です。

だから、そもそものツールに深く根付いている考え方や理想的な使い方をまずお客様に理解してもらうことをとても大事にしています。

それがすっぽり抜けていると、その先の社員さん全員に伝えることがまず困難なんですよね。

Googleでしかやれないこと、ならではのコラボレーション、働き方みたいなことを、しっかりと理解いただくこと、それを私はとても意識しています。

西原(cooker8)

西原(cooker8)

どういう機能がそれでもほしい、と思うのでしょうか?何か具体的な事例ってありますか?

例えばお客さんから「こういう機能を追加して欲しいんだよね」とよくいわれることはどんな機能なんでしょうか。

丹羽(Yoshidumi)

丹羽(Yoshidumi)

う〜ん、一番聞かれるのは、Google カレンダーが多い印象ですね。「カレンダーで30人ぐらいの社員を(これまで眺めていたので)Google カレンダー でも見てたい」みたいなことです。

これもとても感覚的にはわかりますし、やむない業務ではあると思うんですが、そもそもその常に30人のメンバーの予定を画面表示させつづけたいって行為って多くの場合必要がないことも多い気がしています。

そもそも Google カレンダーはMTG調整ツールであり、常時30人の空いている箇所に予定を調整して入れる、みたいなことはコンセプトにない気がしますし、Google 自身が30人のメンバーを常に監視してマネージメントするみたいな組織カルチャーがないわけです。

数万人の従業員の中から予定をぱっと検索かけて、スケジュールを入れるという風にシンプルに作られているんですね。

そのカレンダーに勤怠管理であるとか、日本の業務管理の当たり前をフィットさせるのは難しいのです。無理やり当てはめこもうとするよりは、それは別にやったほうがいいと思っています。

できるだけ1つのアプリですべて行いたい気持ちはとても理解できるのですが、なかなかここは難しいところです。

西原(cooker8)

西原(cooker8)

そういうことですね、Google Workspaceを使っていて違和感があるところってやっぱりあるんですよね。うちの会社でも一時期、Google Workspaceで足りない機能を別のアプリを契約して使おうと思っていたんです。

でも、最近うちの会社の中で心掛けているのが、「もうGoogle Workspaceでできないことは、やらないようにしよう」ということですね。

要は監視みたいな行為とか、めちゃくちゃ大きな人数のスケジュールを監視するということとかは、そういう業務自体がなくなってきたって感覚がありますね。

ちょっと1つだけ個人的に質問してもいいですか?よくToDoリストをなんで1人にしか割り当てられないの?ってことを視聴者から聞かれるんですよね。

確かに普通ToDo管理でタスクの関係者ってなれば、「丹羽さん・田中さん・佐藤さん」って(複数人)になるじゃないですか。

でも色々と考えてみると、結局ToDoの責任を持つタスクオーナーっていうのはどこまで行っても一人だよねという感覚なんですかね?

丹羽(Yoshidumi)

丹羽(Yoshidumi)

はい、タスクオーナーは一人であるべきっていう感じですよね。

西原(cooker8)

西原(cooker8)

なるほど。だからあれは機能が足りてないんじゃなくて、考え抜かれて要は削がれているというかシンプル化されてるっていう捉え方が正解なんですね。

丹羽(Yoshidumi)

丹羽(Yoshidumi)

そうですね、だから Google Workspace に使用感が非常に近い Asana(アサナ)っていう素晴らしいプロジェクトマネジメントツールもあるんですが、 Asana もやっぱり割り当てが一人しかできないようになってるんです。

メンバー全員が所属するのは「プロジェクト」であって、最終的に分割されたタスクレベルというのは1名で、もし2人3人割当できると、最終誰がやるの?っていう責任の所在が曖昧になっちゃうんですね。

西原(cooker8)

西原(cooker8)

実際責任の所在が分からないことになるんですよね。

丹羽(Yoshidumi)

丹羽(Yoshidumi)

そう、だからある意味 Google Workspace 流に従うってことは勇気いることなんですけど、グローバルスタンダードが働き方っていうものを採用するっていうプロセスの一つなんじゃないかなと思っています。

ITツールをただ入れるっていう風なスケールにしてしまうと、あれできないこれできないっていう風になってしまうんですが、組織全体がちゃんとカルチャー変えていこうっていう風に思ったらこんな素晴らしい取り組みはないんじゃないかなと思いますよね。

西原(cooker8)

西原(cooker8)

そういう意味で言うと、合点がいきました。そもそも大前提が違うから「機能が足りない」のではないんですね。

丹羽(Yoshidumi)

丹羽(Yoshidumi)

そうですね、そういう風に「機能が足りない・欲しい」ていう リクエストが多い組織は、そのコンセプト理解が浅いか、もしくはあまりフィットしなくて、結果スムーズな移行がなかなか進まないっていう現状はあるのかな、と思っています。

移行がうまく行く企業さんのところっていうのは、やっぱりその全体のハブとなる担当責任者の方が Google の考え方やカルチャーまで共感してくださっていることが多いんですよね。

だから私本当に Google を好きになってもらうというか、Google を信頼してもらいたいですよね。

Googleがボタン1個実装するなんて簡単なはずなのにつけない理由があるんです、って私はいつも思ってるんです。Google Workspace がないところは、基本現時点でいらない、もしくは優先度が低い機能なんだなって、逆に考えていただくなんていうのもいいのかなって感じです。

西原(cooker8)

西原(cooker8)

そうすると、やっぱり組織で活用していくかっていう今回の観点で言うと抵抗勢力はめちゃくちゃ多いですよね。

丹羽(Yoshidumi)

丹羽(Yoshidumi)

ただアフターコロナから特に変わりましたよね。ムードがかなり変わってきて、この10年〜数年の間に、例えば皆さんが手に持たれてらっしゃったりとか、触ってるツールとかいわゆるデバイスとかも非常に北米の考え方がすごい入ってきているものもあって、多くの人がだいぶ慣れたんじゃないかなという気がしています。

西原(cooker8)

西原(cooker8)

時代がもっと前であれば大きなハレーション(混乱)を起こすけど、今の時代にはむしろ求められていることもあり、ズバッと一回入れちゃって、要はツールが切り替わってしまえばその後は意外とスッと入るケースもあるんですね。

丹羽(Yoshidumi)

丹羽(Yoshidumi)

お客様の多くは、もちろん一旦混乱というか、大小はあるものの、1ヶ月も立てばとても社内からの問い合わせは静かだっておっしゃいます。

ただそうなるにはもちろんしっかりとした移行手順やトレーニング(説明会)は欠かすことはできませんけれどね。そこはとても重要です。

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