導入事例

大栄技研工業株式会社 様

製造現場の”見える化”を AppSheet で実現。挑戦を続ける大栄技研工業がアプリ制作で重視したこととは?

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大栄技研株式会社 様

業種
素材・化学・食品・医薬品技術職
サービス
AppSheet
企業規模
50-99名

創業65年の歴史を持つ愛知県半田市の老舗企業。パチンコ台金枠製造から始まり、フォークリフト部品製造を経て、自社製品の空調用ダンパーや電動アシスト自転車など幅広く事業を展開しています。「鉄とトモダチになる会社」をモットーに、板金・溶接技術で新たな出会いを生み出し、さらなる市場拡大を目指しているとのこと。中国・アメリカにも拠点を置きグローバルに活躍されている企業です。
IT推進室 山守様、山下様 にお話を伺いました。

2024年7月掲載

10年以上 Google Workspace (旧 G Suite )を使ってきたからこそ見える、メリットと活用法

導入前の
課題

💡部署間の情報がリアルタイムで共有できない
💡紙ベースの書類で管理することによる、製造現場作業の非効率性

10年以上 Google Workspace (旧 G Suite )を使ってきたからこそ見える、メリットと活用法

導入した
決め手

💡洗練された操作性と圧倒的なコストメリット
💡自分たちの手で理想のシステムを実現できるという確信が持てた

 

紙ベースの情報が個々人任せになり、現場の状況がわからなかった

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-  AppSheet を導入されたきっかけや背景について教えてください。

デジタル化をする以前は、現場の日報や製造実績を紙で管理していました。しかし、情報が従業員任せで散在し、組織として宝の持ち腐れのような状況でした。
製造や業務の進捗情報がリアルタイムで共有されないため、他部署からは状況がわからず、例えば作業過程でミスや不具合が生じた際に、その現状確認や原因追究のための後追いをするために大量の紙ベースの書類から探し出さなくてはならず、製造現場作業の非効率性を感じていました。

この状況を打破するため、2023年7月より製造部署のデジタル化プロジェクトを立ち上げました。ベンダーや既存システムに頼る選択肢もありましたが、要件定義が曖昧なままでは難しいと判断しました。自社では実際に手を動かしながら探り探り作っていくのが向いていると感じ、自分たちでアプリが作れるツールを探すことにしました。

 

-  AppSheet を導入した決め手は何ですか?

Kintone を数年愛用しておりましたが、製造現場での活用を第一に考えたとき、デスクワークではなくタブレットでの運用が必須でした。しかし、Kintone のUIはタブレットでの入力には最適化されておらず、現場での使いやすさを追求するとUIはシンプルにしたい一方、製造に関わる複雑な情報データベースを扱うとなるとどうしてもUIは複雑化せざるを得ないというジレンマに直面しました。データベースのテーブル間のリレーションが複雑に絡み合っていたため、Kintone で理想をそのまま実現するのは困難だと感じました。

理想のシステムを求めて他ツールも検討しましたが、AppSheet の洗練された操作性と圧倒的なコストメリットは魅力的でした。何より、自分たちの手で理想のシステムを実現できるという確信が持てたことが、AppSheet 導入への大きな決め手となりました。

 

 

「和気あいあいとした雰囲気」でどんな質問や相談もしやすいパートナー

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- AppSheet 導入の際に吉積情報をパートナーとして選んだ理由について教えてください。

Google Workspace 導入のパートナーとして吉積情報を選んだ理由は、実績があり、正直さとサポート力に優れていたからです。
インターネット検索で吉積情報のサイトを見つけたのですが、トレーニングまで行っている企業が他に見つからなかったんですよね。実際に相談会に参加し、現状の課題や実現したいことを話す中で、可能なことだけでなく「こういうことはやっぱり難しいですよ」といったことも正直に話してもらえたことで、吉積情報に決めようという流れになりました。
他にも多くの事例があり、自社でやろうとしていることが実現できそうだと思えたことも大きな理由ですね。

 

- 吉積情報の AppSheet 導入の進め方、支援内容に対しての感想を教えてください。

和気あいあいとした雰囲気の中で、どんな質問や相談でもしやすく、細かい部分も丁寧に教えていただいたと感じています。
現場で AppSheet を触る中でここが難しいとかわからないと思ったことを、2週に1度のミーティング内で解決していく、その周期が AppSheet を日常的に触るための良い機会にもなったかなと思います。
また、AppSheet はアップデートが頻繁にあるため、その都度生じた疑問をすぐに解消できた点もとても助かりました。

 

IT推進室から全社へ。AppSheet で実現する「誰もがアプリ開発者」の未来

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タブレットを置くスタンドもオリジナルで作られたそうです。

- AppSheet 導入後の効果について教えてください。

導入前の課題であった製造現場の状況が見えるようになりつつあります。
アプリを使用する現場の従業員からの抵抗が生じることを懸念していましたが、現時点で抵抗なく受け入れてもらえています。それも、リアルな現場の声を聴き、それが受け入れられ、実際にアプリという形で反映されていることも一因なのではないかと感じています。実際に使うのは彼ら現場の従業員ですから。

実際に現場の意見を聴いてアプリ化するという事例も1つ出来たんですよ。
今後、「こういうアプリが欲しい」という声が出てきた時に、AppSheet で実現していけそうな自信にもなりました。

- 導入から現在に至るまでの感想はいかがですか?また、吉積情報へのリクエストはありますか?

今はIT推進室でアプリ作成を行っていますが、社内の他部署から「自分で作りたい」という声が挙がるようになると嬉しいなと思います。
吉積情報さんには、データベース自体の設計の考え方について、基礎を教えていただきたいなと感じています。そこの部分が肝で理解してしまえば、他のところは自由度高く活用できるのではないかと。エンジニア以外の人でも簡単にアプリが作れるというのも、背景としてその考え方がある人と、普段スプレッドシートで作業したりデータ活用をしている人とでは、ハードルの高さが違うかなという気がしているんです。

- 良い気づきをありがとうございます!

 

「現場で使いやすい」と「管理部門でわかりやすい」を両立したアプリ制作の実現

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- どのようなアプリを作っていますか?

以下4つのアプリを作成しました。

  1. 製造現場の実績値入力アプリ
  2. 運搬業務アプリ
  3. 工程の組の不良可視化アプリ
  4. 改善活動の要望入力アプリ

 

- 作成されたアプリを見せていただいてもよろしいでしょうか?

こちらが実際に作成したアプリです。(上記1.製造現場の実績値入力アプリ)
作業実績一覧とその詳細が入力され、ステータス管理や作業場所、詳細について管理することができます。
製品IDの手入力を避けるため、マスタに入力しておきタブから選択できるUIにしています。
入力した工数については、Looker Studio と連携しデータを可視化しました。
実際の実績については、製造現場で担当作業者がタブレットを使用して入力しているのですが、今後は一人一台タブレットを所有しそれぞれが管理しやすい体制にしていきたいと思っています。

 

 【作成されたアプリ】

 

- 現場作業に即した素晴らしいアプリですね。アプリ制作過程で工夫されたことなどありますか?

現場に即していて作業員が扱いやすいことが第一なので、画面のUIを決める際は実際に操作をしてもらい、現場の意見を反映させるようにしました。ベンダーに制作を依頼すると、やはりこういった手直しが容易ではなくなると思うので、自社でアレンジしていける点はとても合っていたと思います。

導入前には社内でテスターを選定し操作体験してもらったのですが、選定基準については、現場のリーダーの方を中心に意見を積極的に挙げてくれる方や、細やかなフィードバックや対応への期待として女性を多めに選定していましたね。「使えれば良いよ!」という男性陣が多いもので。笑

 

データの設計図は、すでに現場の人の頭の中にある。そのイメージを反映させられるのが AppSheet の良さ

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- スムーズに導入された印象ですが、 AppSheet のアプリ制作についてはどこで勉強したのですか?

書籍を読んだり、独学で学んでいましたね。ER図などデータベースの設計さえできれば、あとはAppSheet でポチポチ操作していけばアプリの制作ができてしまうので非常に驚きました。

製造で使用するデータの設計って、現場の人はすでに頭の中にあると思うんです。そのイメージを汲み取ってアプリに反映することができる、そういった点で AppSheet は非常に良いツールだと感じました。

 

- どのような企業に AppSheet を勧めたいと思いますか?

製造業関係の導入事例はなかなか見つかりにくいのですが、実際やってみて「製造業でも AppSheet 使えるじゃん」という印象を受けたんですよね。

手軽に、でも手軽すぎず、製造業にとって丁度いい塩梅かなという感覚です。
マップ機能で図面上にピンを刺して、現場のこの棚にA在庫があります、みたいな管理とかもできそうだなというイメージもありますし、だから工場で活用しやすいんですよね。

他の業界のことはわかりませんが、製造業の中小工場で使ってみた感触は非常に良かったので、他の製造業の企業でも活用してもらえると思います。

 

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結びの言葉(吉積情報より)

大栄技研工業株式会社 様は、アプリ制作に関して事前に他社サービスや基礎知識を学ばれていたことや、アプリをメインで使用する対象や目的が明確であったため、比較検討段階~現在に至るまでとてもスムーズに導入を進めてこられました。
何よりも「現場」を大切にし、その声に真摯に耳を傾け、忠実にアプリに反映させていく、その姿勢に製造業の在り姿を学ばせていただいたように思います。
今後の AppSheet の活用についても、短時間で多くのアイディアをお話いただきました。創業から様々な「挑戦」を続けて来られた企業様の、今後の新たな「挑戦」の一助として AppSheet をご活用いただければ弊社としても嬉しい限りです。
そうした企業のご担当者様から評価いただけたこと、とてもありがたく感じます。今後もお困りごとやご要望などありましたら、お気軽にご相談いただければと思っています。
今後とも末永くよろしくお願いいたします。

 

2024年7月記事作成(取材・文/吉積情報)

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