コネクテッドシートとは
Connected Sheets(コネクテッドシート)とは、Google Sheets( Google スプレッドシート)上で利用できる機能のことです。 BigQuery に保存されているデータを Google スプレッドシートで可視化・分析・共有ができます。
Connected Sheets 自体は無料で、組織利用するためには、Google Workspace のライセンス契約のみ必要です。
コネクテッドシートがおすすめな企業
コネクテッドシートをおすすめしたい企業の特徴は以下の通りです。
- データの収集・蓄積はできているが、分析・活用ができていない企業
- 現場でExcelを分析基盤として使用している企業
- Excelは使えるがBIツールの知識がない現場部門
- IT部門ではない従業員が分析を行い、かつ分析対象のデータがBigQueryにある企業
- 予算の都合でLookerの導入が難しい企業
- DWHのデータをBIツールで可視化することにIT部門が課題を感じている企業
- 過去にセキュリティインシデントが発生した企業
- 全社的にMicrosoft 365を利用しているが、DWH(データウェアハウス)にはBigQueryを利用している企業
コネクテッドシートは上記のような課題を抱えている企業に対して、効率的なデータ活用を支援します。
コネクテッドシートでできること
コネクテッドシートでできることについて、以下3点を紹介します。
大量データの分析
1つ目は、大量データの分析です。
コネクテッドシートを利用すると、大量の BigQuery データにスプレッドシートから直接アクセスでき、データ分析が飛躍的に効率化されます。スプレッドシート上でデータ抽出、フィルタリング、ソート、集計、計算、グラフ作成などの機能を活用することで、簡単にデータを視覚化し、洞察を得ることが可能です。
さらに、カスタムクエリを利用すれば、複雑な分析やパラメータ付きのデータ抽出も行えるため、より高度なデータ分析が実現するのです。
共有
2つ目は、共有です。
コネクテッドシートを利用すると、共有機能を活用して関係者に BigQuery データへのアクセス権を簡単に付与できます。これにより、編集権限や閲覧権限を持つユーザーが、Web ブラウザやモバイルアプリからいつでもどこでもデータにアクセスし、分析を行うことが可能になります。
コネクテッドシートの共有機能は、効果的なコラボレーションとデータ活用を実現するためにも重要と言えるでしょう。
共同編集
3つ目は、共同編集です。
コネクテッドシートを使用すると、多くのユーザーが使い慣れたスプレッドシートの画面イメージを活用して、関係者との共同編集が可能です。
これにより、リアルタイムで複数のユーザーが同時にデータにアクセスし、編集、分析を行うことができます。
共同編集機能により、関係者全員が最新の情報に基づいて作業できるため、データの整合性と一貫性が保たれます。
コネクテッドシートを利用するメリット
コネクテッドシートを利用するメリットについて、以下4点を紹介します。
- リアルタイムなデータ分析
- 迅速な意思決定
- コスト削減
- データの活用幅拡大
リアルタイムなデータ分析
1つ目のメリットは、リアルタイムなデータ分析です。
BigQuery の最新のデータが即座にスプレッドシートに反映され、タイムリーな情報に基づいて意思決定を行うことができます。ビジネス環境の変化に迅速に対応し、市場の動向や業務の進捗をリアルタイムで監視・分析が可能となるでしょう。
また、スプレッドシート上でリアルタイムにデータを抽出、編集することで、複雑なデータ分析も簡単に行えるようになります。データの最新性を保ちながら、正確で迅速な意思決定を支援し、ビジネスの競争力を高めることができるでしょう。
迅速な意思決定
2つ目のメリットは、迅速な意思決定です。
コネクテッドシートを使えば、関係者が大規模データを効率的に分析できます。スプレッドシートの直感的なインターフェースを通じてデータにアクセスでき、各部門の担当者がリアルタイムにデータを抽出・ソート・集計し、視覚化することが容易になるのです。
Excel等の表計算ソフトに比べて、従来数時間かかっていた分析時間が数分へと大幅に短縮できるようになります。
コネクテッドシートは、データ活用のハードルを下げ、組織全体のデータドリブンな文化を促進し、迅速かつ正確な意思決定を支えることにも役立ちます。
コスト削減
3つ目のメリットは、コスト削減です。コネクテッドシートを利用することで、データ分析にかかる時間とコストを大幅に削減できます。
従来のデータ分析プロセスでは、複数のツールやシステムを使用し、データの移行や統合に多くの時間と労力が必要でした。
コネクテッドシートを使えば、BigQuery データに直接アクセスし、スプレッドシート上でリアルタイムにデータを抽出、フィルタリング、ソート、集計、グラフ作成が可能なため、複雑なデータ処理を簡素化し、分析作業を効率化することができます。
また、既存のスプレッドシートを活用できるため、高価な BI ツールを導入する必要がなく、Enterprise Essential プランは1,130円と手頃な価格で利用できるなど、コストの削減にも繋がります。
コネクテッドシートは、効率的でコスト効果の高いデータ分析を実現するツールです。
データの活用幅拡大
4つ目は、データの活用幅拡大です。
コネクテッドシートを利用すればより多くのユーザーが BigQuery データに直接アクセスできるようになります。
従来、データ分析は専門的なスキルを持つ少数の人に限られていましたが、コネクテッドシートを導入することで、部門を問わず多くの従業員がデータを簡単に利用できるのです。
データの活用範囲が広がることで、企業全体のデータドリブンな文化が育成され、競争力の向上に繋がります。
コネクテッドシートの始め方
ここでは、コネクテッドシートを始める手順を簡単にご紹介します。
※事前準備
Google Cloud Platform Consoleでプロジェクトを作成しておいてください。
- Google スプレッドシートを開く
スプレッドシートを開きます。
2.BigQuery への接続
スプレッドシートのメニューから、「データ」>「データコネクタ」>「BigQuery に接 続」を選択します。
3.プロジェクトの選択
作成したプロジェクトを選び、「接続」をクリックします。
4.接続の完了
BigQuery とコネクテッドシートの接続が完了し、スプレッドシート上でBigQueryデータ
を表示できるようになります。
コネクテッドシートのデータ更新
コネクテッドシートのデータ更新について、以下2点を紹介します。
手動
コネクテッドシートのデータ更新は、手動で行う方法があります。
メリットは、手動更新では更新タイミングを完全に制御できるため、必要な時に必要なデータだけを更新することです。特定のデータのみを選んで更新できるため、不要なデータ更新を避けることができます。さらに、更新エラーが発生した場合でも、原因を特定しやすくなります。
デメリットとしては、更新作業を毎回手動で行う必要があるため、作業負担が増えることです。また、更新漏れや更新頻度の偏りが発生しやすく、データの最新性が維持されないリスクもあるため、リアルタイムなデータ更新には向いていません。
手動更新は、細かいコントロールが可能な反面、効率性には欠けるため、用途や状況に応じて適切に利用することが重要です。
自動
コネクテッドシートのデータ更新には、自動で行う方法もあります。
メリットとして、リアルタイムなデータ更新が可能なことです。常に最新の情報を維持できます。また、更新漏れや更新頻度の偏りを防ぐことができるため、データの一貫性と信頼性が向上します。
デメリットとして、更新スケジュールの設定に手間がかかる点が挙げられます。特に複雑なスケジュール設定が必要な場合、その準備に時間を要します。また、更新エラーが発生した場合、原因の特定が複雑になることがあるため、状況によっては Google Apps Script のスキルが求められます。
自動更新は、効率的かつ信頼性の高いデータ管理を実現する一方で、設定と運用には一定の技術力と準備が必要であり、用途やリソースに応じて最適な方法を選ぶことが重要です。
コネクテッドシートの料金
元々 コネクテッドシートは Google Workspace の Enterprise エディションでのみ利用可能でしたが、2022年6月からは個人用の無償 Gmail アカウントを含む全てのエディションで利用できるなど、多くのユーザーが手軽に利用できるようになりました。
コネクテッドシート自体は無料で利用できますが、データ分析のバックエンドとなるBigQuery の利用には通常通り料金が発生します。
BigQuery の料金は、データのクエリ実行やストレージ利用量に応じて発生するため、利用する際はその点を考慮して計画を立てることが重要です。
BigQuery の料金はGoogle Cloud 公式ページを参照ください。
コネクテッドシートを使ってみよう!
コネクテッドシートを使えば、大量のデータを簡単かつ効率的に分析できます。
また、データの活用幅を広げ、コスト削減効果も期待できるため、企業はデータドリブンな文化を育成し、競争力を高めることができるでしょう。
コネクテッドシートについてさらに詳しく知りたい方や、具体的な導入方法についてご相談がある方は、吉積情報にお問い合わせください。貴社のニーズに合わせた最適なソリューションをご提案し、導入から運用までしっかりサポートいたします。