松浦 真美

製造業で DX を成功させよう!できること・ステップを詳しく紹介

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製造業向け DX の概要と推進方法を知りたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、製造業向けの DX について概要と求められる理由、実現できること、ステップ、おすすめのサービスについて紹介していきます。

製造業向けの DX とは

まずは、製造業向けに欠かせない DX について説明します。

DX とは、AI などの先端技術を活用してデジタル化を推進し、業務の効率化を図る取り組みのことです。製造業が DX にしっかりと取り組めば、製造プロセスを最適化でき、全体の生産性が向上するでしょう。

例えば、AI を活用したデータ分析により、機械の故障を未然に防ぐことが可能です。また、IoT 技術を駆使して工場内の設備や製品をリアルタイムで監視することで、品質管理の向上も期待できます。

DX の推進により、これらの取り組みを実施することで、製造業はより高品質な製品をより効率的に生産できるでしょう。

製造業向けの DX が求められる理由

製造業向けのDXが求められる理由は、経済の成長スピードや市場の急速な変化に対応するためです。

インターネットやクラウドサービスの普及により、情報の流通が急速に進んでいます。さらに、近年では生成AIの登場により、企業の競争力を大きく左右する可能性が高まっています。

この変化に対応するためには、製造業も DX を推進して業務の効率化や生産性向上を図ることが不可欠です。

製造業では、若い世代の技術者が減少し、技術継承が課題となっています。このような中でDXを推進することにより、熟練者の知識やスキルをシステムに組み込み、効率的な技術継承を実現することが求められます。そのため、DXの早急な推進により競争力の維持・強化が必要不可欠です。

製造業 DX で得られるメリット

製造業の DX で得られるメリットについて、以下4点を紹介します。

  • 属人化解消
  • 品質の一定化
  • 新たなビジネスの創出
  • ロボット・AIによる自動化

属人化解消

1つ目は、属人化解消です。

DX を推進すれば、製造業でありがちだった属人化を解消できます。

熟練者が抱える情報やノウハウを文書化し、クラウドサービスで共有すれば、特定の個人に依存せずに、誰でも同じ手順で業務を実施できるのです。熟練者の方が有休や退職した時にも、代わりの担当者がクラウド上のデータやマニュアルを参照しながら即座に対応策を見つけることができるため、問題解決のスピードが大幅に向上するでしょう。

製造業が DX を進めて情報を共有・可視化することで、属人化を解消でき、組織全体のパフォーマンスも向上します。

品質の一定化

2つ目は、品質の一定化です。

製造業では、作業担当者によって手順が異なるなど、品質にバラツキが発生しがちです。

マニュアルを標準化してクラウドサービスで共有し、いつでもどこでもアクセスできるようにすることが重要です。そこで DX 推進を進めて、クラウドベースのマニュアルを導入することで、すべての従業員が同じ情報に基づいて作業を行うことができ、個々のスキルや経験に関係なく、一貫した品質で業務遂行が可能です。

さらに、クラウドサービスはリアルタイムでの更新が可能なため、新しい手順や改善策が発生した場合にも迅速に修正し、全員に周知できるといったメリットもあります。

これにより作業員は、常に最新の情報に基づいた作業を行え品質の一定化を図れるでしょう。

新たなビジネスの創出

3つ目は、新たなビジネスの創出です。

DX を活用することで、従来のビジネスモデルを超えた新しいサービスや製品の開発が可能となります。

例えば、顧客とのデジタル接点を増やすことで、顧客のニーズや嗜好をより詳細に把握でき、パーソナライズされた製品やサービスの提供が可能となります。

さらに、デジタル技術を駆使して市場動向を迅速に取得し、新しいトレンドに対応した製品開発を展開することも可能です。

こうした取り組みを通じて、製造業は新たなビジネスチャンスを創出し、競争力を一層強化できるのです。

ロボット・AI・アプリによる自動化

4つ目はロボット・AI・アプリによる自動化です。

製造ラインにロボットを導入することで、繰り返し作業や重労働を自動化し、生産効率を大幅に向上できます。ロボットは24時間稼働可能であり、人手不足や労働力コストの課題を解決できるからです。

さらに、AI 技術を活用すれば品質検査や異常検知をより精密かつ迅速に行えるでしょう。例えば、カメラと AI を組み合わせたシステムは、製品の微細な欠陥を瞬時に検知し、不良品の発生を防げます。また、製造過程での異常をリアルタイムで検知し、早期に対策を講じることで、生産ラインの停止リスクを最小限に抑えることも可能です。

このように、ロボット・AI・アプリの導入による自動化は、製造業の生産性向上、品質管理を強化できるのです。

AIやメタバースについては、こちらのサイトも是非参考にしてみてください。
メタバース相談室

 

製造業 DX の課題と注意点

製造業 DX の課題と注意点ついて、以下3点を紹介します。

  • 社内の理解不足
  • 現場とのギャップ
  • DX人材の不足

社内の理解不足

製造業におけるDX推進では、経営層から現場までの「理解の差」が大きな障壁になります。DXの目的や効果が社内で十分に共有されていないと、「なぜ変革が必要なのか」が伝わらず、現場からの協力が得られにくくなります。また、単なるIT導入と誤解されるケースも多く、期待する効果が得られないことも。全社的な意識統一と丁寧な説明が不可欠です。

現場とのギャップ

DX推進では、経営層が描く理想と現場の実態にギャップが生じることがよくあります。業務フローや現場の課題を十分に理解せずにシステムやツールを導入すると、かえって業務が複雑化し、現場の反発を招くこともあります。DXを成功させるには、現場の声を丁寧に拾い上げ、実際の業務に即した設計や運用を行うことが重要です。現場主導の取り組みが成果を左右します。

DX人材の不足

製造業では、DXを推進できる人材が不足していることが大きな課題です。ITやデジタル技術に精通し、業務改善や変革をリードできる人材は限られており、外部に頼るにもコストや知識の定着がネックになります。また、既存社員にとってもデジタル技術は未知の領域であり、抵抗感があることも。中長期的には、社内での人材育成やリスキリングの体制を整えることが、安定したDX推進につながります。

製造業 DX の成功事例

製造業でDX に成功した事例を紹介します。

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愛知県半田市にある老舗製造業・大栄技研工業株式会社は、現場主導で DX を導入し、業務の効率化と情報共有の向上を実現しました。

元々日報や製造実績などの情報を紙で管理しており、進捗状況の把握が個人任せになっていました。リアルタイムでの情報共有が難しく、他部署から現場の状況が見えにくいという課題を抱えていたのです。

そこで2023年、同社はデジタル化プロジェクトを立ち上げ、AppSheet を導入し、製造現場の見える化に取り組みました。もともと外部ベンダーや既存のシステムを使う案も検討しましたが、要件が固まりきっていない中での導入は難しいと判断したのです。現場の手で試行錯誤しながらシステムを作るスタイルが自社に合っていると考え、自分たちでアプリを開発できるツールを探すことにしました。

それまで、Kintone を数年利用していましたが、現場での運用を重視した場合、デスクではなくタブレットでの使用が必須となります。Kintone はタブレット入力に最適化されておらず、複雑なデータベースを扱う必要がある一方で、UI はシンプルに保ちたいというジレンマに直面しました。データのリレーションが複雑だったこともあり、Kintone では理想を実現するのが難しいと感じたといいます。

そのような中で出会ったのが AppSheet でした。操作性が洗練されており、コスト面でも魅力的だったことに加え、「自分たちの手で理想のシステムを形にできる」という確信が持てたことが、導入の大きな決め手となりました。

導入パートナーは吉積情報を選定しました。他社ではあまり例がない「トレーニングまで一貫して対応してくれる」点が大きな選定理由でした。相談会に参加した際には、やりたいことに対する具体的なアドバイスだけでなく、「これは難しいかもしれません」といった率直な意見ももらえたことで、信頼感が深まったといいます。

AppSheet はアップデートが頻繁に行われるため、その都度発生する課題にも柔軟に対応する必要があります。吉積情報はそうした相談にも丁寧に応じたことで、現場から厚い信頼を得られ、サポート面においても高い評価を得ています。

関連記事:製造現場の”見える化”を AppSheet で実現。挑戦を続ける大栄技研工業がアプリ制作で重視したこととは?

 

製造業で DX を確実に進めるステップ

ここからは、製造業で DX を確実に進めるためのステップについて、以下7点を紹介します。

  • 目標設定
  • スケジュール策定
  • 現状把握
  • サービス選定
  • スモールスタート
  • 本稼働
  • 評価・改善

目標設定

製造業で DX を進めるためには、まずは DX の目的と具体的な目標を明確に設定する必要があります。例えば生産性向上、品質改善、コスト削減、顧客満足度向上などが挙げられるでしょう。

明確な目標を設定することで、DX の進捗を測定しやすくなり、全員が同じ方向を目指すことができます。

スケジュール策定

設定した目標を達成するためには、詳細なスケジュール策定が必要です。

DX 推進で各段階を実行するためのタスクとその期限を定めていきましょう。スケジュールには、プロジェクトの主要なマイルストーンと、それぞれのタスクの開始日および終了日を含めていきます。

現状把握

目的とスケジュールを策定した後は、現在の業務プロセスやシステムを詳細に把握していきます。把握の仕方として例えば、現場での観察、データ分析、従業員へのインタビューなどの方法があるでしょう。

現状把握の目的は、現行のプロセスの問題点や改善が必要な領域を特定し、DXの取り組みがどこに焦点を当てるべきかを決定することです。

サービス選定

DX を進めるためには、適切なサービスやソリューション選定が必要です。

サービス選定時にはコスト、実装の容易さ、サポート体制、将来の拡張性などを考慮しながら、自社に合ったサービスを決めていきましょう。

Google Workspace をはじめとしたグループウェアを導入すれば、社内のコミュニケーションを強化し情報共有を迅速に行えます。従来に比べて自身の不明点もすぐに解決できるなど、製造業における課題解決に貢献できるでしょう。

スモールスタート

大規模な導入前に、一部の組織やプロセスでスモールスタートを実施することが大切です。スモールスタートを実施することで、DX の影響範囲を限定し、初期段階でのリスクを低減できます。小規模な導入で得られたフィードバックは、全社展開時の貴重なデータとなるため、必ずスモールスタートからはじめましょう。

本稼働

スモールスタートで一定の効果を確認できた後、DX の取り組みを全社的に展開して本稼働を進めていきます。

本稼働では、スモールスタートで得られた知見を活かし、導入のスムーズな進行を図ることが大切です。従業員のトレーニングを実施することと、サポート体制の強化も実施していきましょう。

評価・改善

本稼働後一定期間が経過したら、DX 取り組みの効果を評価します。

評価では、設定した目標に対する進捗や達成度を測定し、改善点を特定することが大切です。改善点を出すことで、DX の取り組みを継続的に進め、より効果を発揮できるでしょう。

製造業 DX に使える補助金

製造業で DX を進める際には、「IT導入補助金」の活用を検討できます。

IT 導入補助金とは、中小企業または小規模事業者がツールやサービス、システムを導入する際に、導入費用の一部を国が補助してくれる制度です。例えば業務の自動化や効率化、働き方改革、売上アップなど、企業が直面する課題の解決に役立つ IT ツールの導入を支援することで、経営力の強化を図ることが目的です。

また、DXの本質であるデータやデジタル技術の活用により、製品・サービスや業務プロセス、組織体制などを見直し、競争力を高める取り組みも後押しします。

IT 導入補助金は、製造業が DX を推進するための有効な支援策といえるでしょう。

但し、

  • IT導入支援事業者からITツールを導入する必要がある
  • グループウェアのみでの申請はできない場合がある

などといった注意すべき点もあるため、予め調べておく必要があります。
IT導入補助金については、以下の記事も参考にしてみてください。

参考記事:Google Workspace はIT導入補助金の対象?利用の条件について解説

製造業 DX に役立つツール・サービス

ここからは、製造業向け DX におすすめのツール・サービスを紹介します。

  • Google Workspace
  • AppSheet

Google Workspace

Google Workspace は、クラウドベースのグループウェアで、製造業向けの DX を支援するための有効なツールです。 Gmail、Googleドライブ、Googleドキュメント、Googleスプレッドシートをはじめとした多くの機能を持ち、社内・社外における効率的なコミュニケーションを実現します。

誰でも簡単に直感的な操作ができることから、これまで紙ベースで業務を進めていた製造業でも、容易にデジタル化を実現でき DX 推進に役立つでしょう。

データ暗号化や2段階認証など、セキュリティ機能もしっかりしているため、IT に不慣れな操作の従業員からデータを守ることも可能です。

AppSheet

AppSheet は、プログラミングの知識がなくても直感的な操作でアプリ開発ができるノーコードプラットフォームです。製造業において、在庫管理、タスク管理、案件管理など、多様な業務に対応するアプリを迅速に開発できます。

AppSheet を使えば、現場のニーズに即したアプリを自社内で柔軟に作成でき、業務効率が向上し、DX の効果を最大限に引き出すことが可能です。

参考記事:AppSheet で手軽に作る在庫管理アプリの作り方:使い方まで徹底解説

製造業向け DX なら Google Workspace と AppSheet を導入しよう

本記事では、製造業の DX について紹介しました。

製造業では DX 推進が必要不可欠ですが、まだまだ紙をベースとした業務が多かったり、熟練者による属人化が見られたりするなど、課題は多くあります。

DX 推進スムーズに進めるためには、従業員が一体化となって業務を進めることが大切です。そのためには、誰でも簡単に扱える Google Workspace  を導入して、日々の業務を効率化していきましょう。

Google Workspace に合わせて AppSheet を導入すれば必要なアプリを簡単に開発できるなど、製造業の DX 推進を加速し、競争力を一層高めることができます。Google Workspace と AppSheet を活用し、製造業をより成長させていきましょう。

松浦 真美
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