「冷たい(ように感じる)」やりとりには注意!
今書いた内容をひっくり返すようですが、ビジネスチャットはひたすらビジネス的な文章だけを送り合えばいい、というものでもありません。
というのも、文字でのコミュニケーションは感情が伝わりにくく、会話と比べて冷たい印象になりがちだからです。
上司から苦笑いで「それはダメだよ」と言われるのと、テキストで「それはダメだよ」と送られるのとでは、後者の方がより怖く感じる、という方も多いでしょう。
あまりに冷たいやり取りが続いてしまうと、緊張しすぎて疲労してしまう、「チャット疲れ」に陥りかねません。
それを避けるためにも、以下のような「クッション」を入れていきましょう。
挨拶やお礼を挟むだけで印象が変わる
かしこまった時候の挨拶等は不要ですが、「お疲れ様です」「ありがとう」といった、簡単な挨拶やお礼は積極的に挟んでいきましょう。「大変助かりました」など、あえて強調してお礼を言うくらいでもちょうどいいです。
※ワンポイント※
!など多少大げさなくらいで気持ちが伝わる
語尾に「〜しました!」「ありがとうございます!」など、ややテンション上げ目で文字を打つ人が多いのは、やはりテキストだと伝わりにくいからかもしれません。多少大げさなくらいでちょうどよい、と思います!(!笑)
スタンプ・絵文字を「確認済み・既読」として有効活用
スタンプ・絵文字を活用するのも重要です。スタンプや絵文字はチャットツールの多くに用意されており、感情を表現する手段として利用されています。
- 簡単なリアクション
- 既読や「確認しました」といったメッセージの代わり
のように、スタンプを適宜使っていくことで、相手にも感情が伝わり、コミュニケーションの質の向上につながるでしょう。
絵文字はもはや全世界共通。ビジネスにも取り入れる
心理的安全性・リラックスを保てる場所であることの重要性
皆さんは、心理的安全性をご存知でしょうか?
心理的安全性とは、「チームの中の全員が安心して発言、行動できる状態」を指します。
グーグル社が、「心理的安全性こそ成功するチームの構築に最も重要」と発表したことで注目を集めたことで知られている通り、心理的安全性は、チームのコミュニケーション伝達性や共同の作業効率に直結する重要な要素です。
信頼が欠如した環境では、「自分の意見が否定されてしまうのではないか」と発言を躊躇ったり、「厳しく罰せられてしまわないか」とミスを隠したりする人が出てきてしまいます。
このような状況では、チャットにおけるコミュケーションでも情報の公開性や、生産性が大きく低減してしまいます。
心理的安全性に関しては、今後の記事でも詳しく紹介していきますが、今回はチャットに絞り、文字でのコミュニケーション独特の気をつけるべきポイントを紹介します。
特にテキストはきつい!相手の意見を頭ごなしに非難しない
これまで述べた通り、テキストでのやりとりはややドライに見えてしまう傾向があり、通常よりも批判を強く捉えてしまいがちです。
チャットの中では、たとえ自分の方が正論であっても、相手の意見を批判・否定する文言は避けましょう。
特に、チャットルームなど、大人数が見ている場で特定の個人を批判することは、いわば「晒し者にする」ようなもの。些細なフィードバックのつもりでも、相手へ大きなダメージを与えかねません。絶対にやめましょう。
また、そもそもツイッターでの炎上を見ればわかるとおり、テキストでの短文の応酬は激しい議論を行うのには相応しくないばかりか加熱させてしまう可能性があります。
そういった場合はWEB会議など、お互いの感情や表情がわかる場所で行いましょう。
フィードバックはDMで
「批判はダメ」とはいえ、相手の発言が明らかに間違っている場合は正さなければならないこともあるでしょう。
その度に毎回オフラインミーティングをするわけにもいかないでしょうし、電話もかえって相手に緊張を強いるケースも。
そういった場合は、周りの目がないDMを使い、表現に十分注意してフィードバックするのがおすすめです。
※ポイント※
マネジメントする方ほど気をつけたい。チャットの使い方。
テレワークが進み、チャットで部下やチームとコミュケーションを取ることが増えました。何気ない普通の立ち話での会話であればニュアンスが汲み取れる場合も、テキストチャットだとそうは受け取られない場合が多々あります。チャットがリラックスできるコミュケーションになっているのかご自身が気をつけると共に、チームのコミュケーション場をマネジメントする意味でもチャットの雰囲気にも気を配りたいものです。
チャットは非同期ツールであることを忘れずに
チャットツールをビジネスで使う上で意識しておきたいこと。それは「チャットは非同期ツールである」ということです。
相手からすぐに返信が来るとは限らない
オフィスでの会話は、相手は目の前にいて、質問にはすぐに返事してくれます。
しかし、チャットはメールなどと同じく「すぐに返事が来るとは限らない」ものです。
相手が忙しくてチャットを確認する暇がなければ、返事が1時間後にやっと来たとしても仕方ありません。
急用があってチャットをしたからといって、返事が来るまでイライラしながら待ち続けたり、リマインドを何度も送ったりすると仕事の進行もストレス過多になります。
「非同期ツールである」ということをしっかり理解して、すぐに返事が来なくても焦らず、自分の仕事を並行してこなすことに慣れましょう。
それこそ電話などの(相手の仕事の手を止める)同期ツールとは異なるチャットのメリットでもあります。
もし本当に至急の案件であれば、電話やWEB会議など、別の手段を検討しましょう。
自分も急いで返信をする必要はない
ここで大事なのは、相手がそうであるように、自分も「すぐにチャットに返事をする必要はない」ということです。
もちろん手が空いているならすぐに返事をした方が良いですが、返信を急ぐあまり現在の仕事を放り出す、という必要はありません。
※ワンポイント※
通知をうまくコントロールして、チャットと付き合いましょう!
チャットに即レスを意識してしまい、他の仕事中もチャットが気になっているようでは生産性が高い仕事は難しいでしょう。「チャットはあくまで余裕が決められた間隔・時間に見て返す」というふうに自分のルールを作っておくのもいいでしょう。通知をうまくコントロールして、集中している時の妨げにならないよう工夫してみましょう。
とはいえビジネス。 一目で内容がわかるように
チャットは英語で「おしゃべり」という意味。長話ではなく、簡単なメッセージにまとめるのが重要です。ビジネスであってもその原則は変わりません。
イメージの説明をいれる
時候の挨拶などは不要
ビジネスメールにおいては、こんな文章を打つことも多いでしょう。
「お世話になっております。○○です。お忙しいところ失礼いたします。さて、▲▲についてですが・・・」
ビジネスメールでは、相手に失礼のないよう、時候の挨拶や相手を気遣う言葉を話の枕にすることがマナーとされています。
しかし、チャットにおいてはこのような文章は不要です。
ビジネスチャットは、簡潔なやりとりをするのに最適化されていますし、相手もそれを分かって使っているため、形式的なやりとりは必要ありません。むしろ、挨拶の部分が長いと、何についての話かが見づらくなってしまいます。
要件を先に書く
むしろビジネスチャットでは「何についての話か1行でわかるように書く」という、簡潔に文章をまとめる力が大切です。
「▲▲の件ですが、お客様からこのような提案を受けました。」
といったように、冒頭でテーマを述べるのが望ましいでしょう。
そうすることでチャットが見やすくなるだけでなく、相手に通知がいく時、すぐに何の話かがわかるようになります。
チャットツール以外の活用も視野に
すべてをチャットでやりとりせず、TPOでツールを分ける。
どんなに上手くチャットツールを使いこなしても、やはりそこにはチャット特有の限界があります。
長い文章や、重要な流れてほしくない通知はメールの方が適していますし、話の微妙なニュアンスを伝えるのには電話やWEB会議の方が適しています。
※ワンポイント※
会話内容によって、柔軟にツールを選択するのがGood!
場合によっては、「ここ伝えるの難しいからGoogle Meetで話そう」などと、チャット以外の選択肢を提案していくのも、「チャット上手」な人でありITのコミュケーションリテラシーの高いの人の特徴です。
トピックごとにチャットルームを作成
チャットでよくある問題として、「話題がごちゃごちゃになってしまう」というものがあります。その原因の多くは、「2つ以上の話題を同じ部屋で話してしまう」ことです。
たとえば「○○部」のチャットルームで、○○部が抱えている案件を全て議論してしまっては、いくらスレッド等を活用しても訳がわからなくなってしまいます。
そういった場合は、仮に同じメンバーでやっていたとしても、「A案件」「B案件」のように案件別にチャットルームを分けるのが妥当です。
すべてをチャットでやりとりせず、TPOでツールを分ける
チャットルームの使い方についてはこちらの記事もご参考にください。
決定版:Google Chat(旧Google hangout)の使い方
まとめ
ここまでチャットのコツを紹介してきました。大事なことは、「ビジネスライクに、かつ温かくチャットを使う」ということです。
皆さんもチャットツールを使って、テレワークをより効率的に行いましょう。
よりよいテレワーク・チャットコミュケーションのご参考になれば幸いです!