Gemini for Google Workspace はあなたのためのAIアシスタント
Gemini for Google Workspace を一言で表現すると、「あなたの業務を支援するAIアシスタント」です。 Google Workspace のアドオン機能であるため、 Google Workspace のライセンスとは別で費用が発生することになります。具体的な機能に関しては、例えば、以下のようなユースケース(一例)で、 Gemini はあなたの業務をサポートしてくれます。
- 提案書の作成
- 文書の校正
- メール文の作成
- ブログ記事の作成
- タスク一覧表の作成
- 競合分析
- 市場調査
- 企画の立案
- メルマガの作成
- 文書の要約
- アンケート結果の集計と分析
- 会議内容の要約
注意すべきポイントとしては、これは他の類似サービスも同様ですが、AIアシスタントが行ってくれるのは、あくまで支援であり、上記ユースケースの業務を全てAIが自動化するわけではなく、出力結果についても完全な信頼性があるわけではありません。成果物に対して、最終的にチェック・修正するのはユーザー自身になります。それを踏まえたとしても、 Gemini for Google Workspace によって齎される業務効率化は使う・使わないで大きな違いを生み出します。
Gemini Business より Gemini Enterprise をオススメしたい理由
次に2つのプランの違いについて説明します。まずは、2つのプランの違いの全体像を理解しましょう。以下は、 Business プランと Enterprise の機能比較表になります。この一覧からもわかる通り、 Gemini Business では、各ツール( Gmail / Docs / Sheets / Slide )に組み込まれた Gemini や Gemini アプリ(旧 Bard )といった基本的な機能は利用できますが、いくつかの機能はサポートしていません。
項目
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機能概要
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Gemini Business
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Gemini Enterprise
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基本機能
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費用 ※年契約の場合の月額費用
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¥2,260 / 月 /ユーザー
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¥3,400 / 月 /ユーザー
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Gemini for Google Workspace 基本機能 (旧Duet AI for Google Workspace アドオンによる Mail / Docs / Sheets / Slide の生成AI 機能)
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〇
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〇
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利用回数制限
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1,000回 / ユーザー /月
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無
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Gemini アプリ(企業向け旧Bard) ※送信プロンプトの非学習を保証
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〇
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〇
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機密保持のためのAIによる自動ラベル付け(DLP連携)
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〇
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Meet
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Meet会議の背景のAIによる生成
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〇
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Studio Look / Sound / Lighting
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〇
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リアルタイム翻訳 キャプション
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〇
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Meet会議の議事録作成機能(Take note for me アルファ版)
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〇
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言語自動認識による翻訳(Translate for Me)
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〇
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出席できない会議にコメント、質問を残しておく(Attend for Me)
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〇
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Meetハードウェアなし、PCのみでクリアな会議。 会議室内の他の参加者のオーディオフィードバック(反響)削除
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画面共有時の電子透かし。不正コピーの追跡、抑止
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〇
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出席できない会議にコメント、質問を残しておく
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〇
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Chat
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会話の要約
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〇
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会話の自動翻訳
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〇
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無制限に Gemini を利用することが可能
Gemini Business には、 Gemini の利用に1,000回/ユーザー/月という制限が発生しますが、 Gemini Enterprise では発生しません。この制限値はかなり多いと考える方も多いとは思うのですが(私自身も以前は十分多いと考えていました)、おそらく足りない数値になってくると考えています。それは、 Gemini のサイドパネル機能のリリースです。この機能の詳細については、以下の動画をご参考ください。
※以下動画の51分付近
デモ動画を見てもらえればわかる通り、この機能を利用すれば、ユーザーが権限保持する既存ファイルの内容を加工して、新たな文書生成を行うことができます。また、別ファイルの内容をマージして、自動アップデートすることも可能です。 業務上、 Google ドライブ上でよくファイル作成・編集するユーザー(弊社で言うと、特に営業職のメンバー)にとっては、なくてはならない機能です。
しかしながら、これはサイドパネル機能の使い方の一例です。それ以外にも多くの機能が備わっており、日々 Google ドライブ上で業務を行うユーザーにとっては、月1,000回という数値は多くはないと考えています。
サイドパネル機能の詳細は「 Google Workspaceに革命!Gemini 1.5 Pro搭載サイドパネルで仕事が激変」の記事をご参考ください。
オンライン会議ツール「 Meet 」向けの Gemini 機能
Enterprise をオススメしたい2つ目の理由は、オンライン会議ツール「 Google Meet 」に搭載される Gemini 機能です。機能の詳細は以下動画をご確認ください。
※以下動画の55分付近
扱う言語が異なる複数のユーザーがオンライン会議をするときに、 Gemini はリアルタイムで自動翻訳を実施し、ユーザー間の言語の壁を取り除きます。また、会議に遅れてきたユーザーに、ここまでの会議の内容を要約してユーザーに伝えてくれます。現状の Google Meet でも十分強力なツールですが、 Gemini が加わることで、さらなる生産性向上を期待できます。
Gemini Enterprise は Gemini Business の上位互換版
Gemini Business で利用できる機能は Gemini Enterprise でも利用できますし、Enterprise ではそれに加えて、 Meet や Chat といった機能もサポートしています。プラン設計上、 Gemini Enterprise は Gemini Business の上位互換版のプランになることは当たり前のことですが、私が Gemini Enterprise を利用して感じるのは、2つのプランには機能上で大きな違いがあると感じています。無制限の実行回数と日々の業務で欠かせないオンライン会議ツールにおけるAI機能は、私たちユーザーに大きな恩恵をもたらすと考えています。
日本語化対応された場合のインパクトは絶大
現状、 Gemini for Google Workspace で日本語化されているのは、 Gemini アプリのみになります。ただ、去年の Google Cloud Next Tokyo で Gemini for Google Workspace が2024年に日本語化されることが発表されているため、いつ日本語化がリリースされてもおかしくありません。日本市場においては、日本語化された場合、今以上に Gemini の有用性に注目が集まるのではないでしょうか。
まずは Gemini Business から始めるのもOK
ここまで説明してきた通り、 Gemini の Enterprise プランは、Business プランよりも多くの利点を提供します。特に日々の業務での利用頻度の高い Google Meet 向けの機能であったり、 Google ドライブ上の存在する企業の資産を活用した文書作成や要約機能は、ユーザーに爆発的な生産性をもたらします。Gemini Enterprise には企業が持続的に成長し、競争力を維持するために必要な要素が多く揃っています。企業の規模やニーズに応じて最適なプランを選ぶことが重要ですが、長期的な視点で見ると、Enterprise プランがより効果的な選択になると考えています。
ただ、ここまで Enterprise がオススメであることをお伝えしてきましたが、 Gemini Business でも十分な生産性向上が期待できます。まずは、 Business から導入を始め、費用対効果を測定していくのもステップとしては良いのではないでしょうか。