Google WorkspaceとはGoogleのグループウェア
Google Workspaceとは、誰もが知っているGoogleが提供するグループウェアです。 グループウェアとは組織のコミュニケーションや業務を円滑にするアプリやソフトのことで、他には Microsoft 365が有名です。2020年10月まではG Suite(ジースイート)という名前だったので、ネットで検索するとそちらの名前で解説されているサイトもあります。
Google Workspaceの最大の特徴は全てがWEB上で完結する点 で、ソフトをインストールする必要もなければ端末や場所を選ぶこともありません。ネットさえ繋がっていれば、アカウントとパスワードだけで全ての機能を利用できます 。ま た利用できるアプリも多く、業務に必要なアプリをGoogle Workspaceだけで網羅することも可能です。
パソコンからもスマホからも同じデータにアクセスできるので、場所を選ばない働き方ができます。
Google Workspaceで利用できるアプリ
Google Workspaceでは多くのアプリを利用できますが、どのアプリもシンプルな操作性で使い方を覚えるストレスを感じさせません。またアプリ間の連携も強く、使いこなせるようになると業務効率を非常に高めることができます。主要なアプリ一覧は以下の通りです。
表のとおり、Google Workspaceにはコミュニケーションツールや資料作成、セキュリティ機能に至るまで仕事で使うアプリが一通り揃っています。またこれらのアプリは全てWEB上で利用できるため、別でアプリをインストールする必要もありません。
上記アプリの多くは無料版Google アカウントでも利用できますが、管理コンソールとVault、Cloud SearchはGoogle Workspaceでしか利用できません。
管理コンソール
アカウントの追加や削除、各アプリの設定などGoogle Workspace全体の設定を行なえます。アプリごとの設定を個人に任せる必要がなくなるので、従業員によるアプリの予期せぬ使い方を防いだり組織全体のセキュリティレベルを高めることができます。
Vault
組織で保存しているデータの検索や書き出しを行なえます。データの保存期間を無期限に設定することで、たとえ従業員がデータを消したりしてもVault から消したデータを検索して確認ができます。また情報漏洩や不祥事などで電子情報の開示が必要になった際にもVaultが有効です。
参考記事:Google Vaultの使い方を解説!監査人への権限付与方法も紹介
Cloud Search
組織のGoogle Workspace全体からデータを検索できます。たとえば「A社」のデータを知りたい場合、Cloud Searchを使うとドライブ内の資料やメール、連絡先の情報などから「A社」が含まれるデータを見つけることができます。
Google Workspaceの料金プラン
Google Workspaceには中小企業向けのBusinessプランと、大企業向けのEnterpriseプランがあります。アカウント数が300を超える場合はEnterpriseプランしか選ぶことができませんが、Enterpriseプランの料金は公表されていないので、ここではBusinessプランのみ紹介します。 各プランの料金と機能の違いは以下の通りです(料金は全て税抜き価格です)。
機能
Business Starter
Business Standard
Business Plus
月額料金
¥800/人
¥1,600/人
¥2,500/人
ストレージ容量
30GB/人
2TB/人 組織で共有可能
5TB/人 組織で共有可能
Gmail
〇
〇
〇
ドライブ
〇
〇
〇
Meet
△ 録画不可
〇
〇
カレンダー
〇
〇
〇
Chat
〇
〇
〇
スプレッドシート
〇
〇
〇
ドキュメント
〇
〇
〇
スライド
〇
〇
〇
Cloud Search
×
〇
〇
Vault
×
×
〇
ログ監視
△ ドライブのログ監視不可
〇
〇
エンドポイント管理
△ 詳細な管理は不可
△ 詳細な管理は不可
〇
ここまで紹介してきたGoogle Workspaceは、月額で費用のかかる有料サービスです。しかし Googleアカウントには皆さんご存じのように無料版も存在します。細かい違いはありますが、Google Workspaceと無料版Googleアカウントの大きな違いは1つだけです。
管理コンソールを使えるかどうか
Google Workspaceのほとんどの機能は無料版Googleアカウントでも使えますが、先ほど紹介した管理コンソールはGoogle Workspaceでしか使えません。 管理コンソールのおかげで組織のアカウントを管理したり、アプリの権限などを一括で設定することができます。逆に無料版 Google アカウントだと組織でアカウントを管理できませんし、アプリの設定も個人任せになってしまいます。
組織でデータや予定の共有をするのであれば、セキュリティ上組織内のアカウントは管理できていないといけません。
費用はかかりますが、組織で使うのであれば無料版GoogleアカウントではなくGoogle Workspaceを利用しましょう。
実際に、組織で無料版Googleアカウントを利用していたために、気づかないうちに退職者に会社情報を持ち出されてしまっていたという事例もあります。 退職者が出る場合も、Google Workspaceであればアカウントの停止や削除で対応可能 です。
Google WorkspaceとMicrosoft 365の違い
Google Workspaceの他にもグループウェアは複数ありますが、比較対象になりやすいのは Microsoft 365です。この2つは他のグループウェアと違って、メールやストレージから表計算や文書作成まで、仕事に必要な機能が一通り揃っています。 機能の比較は以下の通りです。
機能
Google Workspace Businessプラン
Microsoft 365 一般法人プラン
プラン (税抜き月額)
¥800/人 ¥1,600/人 ¥2,500/人
¥899/人 ¥1,874/人 ¥3,298/人
メール
Gmail
Outlook
ドライブ
ドライブ
OneDrive
チャット
Chat
Teams
ビデオ会議
Meet
Teams
予定管理
カレンダー
Outlookカレンダー
文書作成
ドキュメント
Word
表計算
スプレッドシート
Excel
資料作成
スライド
PowerPoint
フォーム作成
Forms
Microsoft Forms
表のとおり、Google WorkspaceとMicrosoft 365は使える機能やプランには差がありません。同じように見える両者ですが、以下のような違いがあります。
フルクラウドかどうか
Google Workspaceはフルクラウドで、ネットが繋がっていれば全ての機能を使えます。 追加でアプリをインストールする必要はありません。同じようにMicrosoft 365もフルクラウドで使えますが、インストールして使うアプリ版と比べて機能が制限されているため、機能を100%使うためにはクラウドとインストールアプリを併用する必要があります。
全ての機能をWEB上で完結できるGoogle Workspaceの方が、使いやすさの点で優れています。
機能の更新スピード
機能が更新されるスピードはGoogle Workspaceの方が圧倒的に早いです。Google Workspaceのアップデートブログ を見ていただくと分かりますが、ほぼ毎日のように更新されています。筆者もGoogle Workspaceの導入を支援する立場として毎日アップデートブログは見ていますが、それでもついていけないほどに機能の追加や更新が早いです。対してMicrosoft 365のアップデートサイト を見ると、月に数件のアップデート情報しかありません。
このように、Google Workspaceの方が機能の追加や改善が早いです。
全ての機能がWEB上で完結しているGoogle Workspaceは、 たとえITが苦手な人でもストレスを感じずに利用できます。 また本当に更新が早いので、 知らないうちに自分の欲しかった機能が実装されていた なんて嬉しい出来事も起こったりします。
Google Workspaceの導入には独自ドメインとDNSサーバーが必要
これほどまでに便利なGoogle Workspaceですが、必要なものは独自ドメインとDNSサーバーの2つだけ です。
独自ドメイン
ドメインとはインターネット上の住所で、メールアドレスやHPに利用されています。 メールアドレスだと@マーク以降の文字列のことを指します。この文字列を自分で決めて取得したドメインを独自ドメインといいます。逆に@gmail.comのような皆で共用しているドメインを共用ドメインと呼びます。Google Workspaceでは前者の独自ドメインが必要 になります。ドメインの取得は安いと年1000円ほどで取得できます。
関連記事:Google Workspaceで独自ドメインを使ってみよう!
DNSサーバー
ドメインがどのメールサーバーやWEBサーバーに紐づくかを設定しておくのがDNSサーバーです。 Google Workspaceを導入するには、独自ドメインと紐づいたDNSサーバーにGoogle Workspaceを使う設定を入力する必要があります。
このように Google Workspaceを導入するには独自ドメインとDNSサーバーが必要ですが、独自ドメインを持っていればDNSサーバーも持っていることが多いです。HPを持っていたり独自ドメインのメールアドレスを使っているならまず間違いなく持っています。
もし自分がDNSサーバーを持っているかわからない場合は、ドメイン業者に確認してみてください。
Google Workspace導入の注意点
Google Workspaceの導入を決める際に、1つ注意しなければいけないことがあります。それは Google Workspaceを導入した際のメリットや運用方法を、事前に組織全体で共有しておく必要があるということです。
Google Workspaceを導入するメリットの共有
Google Workspaceは導入して終わりではなく、組織全体で様々な機能を使い倒してこそ真価を発揮します。
しかし多くの従業員にとって新しい仕組みを覚えることは大きなストレスになるので、せっかくGoogle Workspaceを導入しても全く使われないということも起こり得ます。その結果導入しただけで運用がされない、ただお金だけかかっているという残念な状況になってしまいます。
それを防ぐために、導入前にGoogle Workspaceを導入するメリットや運用方法を組織全体に共有しておく必要があります。
特にGoogle Workspaceを導入することで具体的にどのように仕事が変わるのか、従業員にどんなメリットがあるのかを伝えることが大切です。
そうすることで、導入したGoogle Workspaceが全く運用されないというリスクを減らすことができます。
Google Workspaceを活用して業務を効率化しよう
全ての操作がWEB上で完結している点やアプリの豊富さ、アカウントの管理機能など、Google Workspaceは組織で使うには最適なグループウェアです。
Google Workspaceの導入・活用などについて迷う場合には、お気軽に吉積情報までお問い合わせください。
お問い合わせ・ご相談はこちら:https://www.yoshidumi.co.jp/contact
Google Workspaceで最先端の働き方を実現させましょう。
※Google CloudおよびGoogle Cloud製品・サービス名称はGoogle LLCの商標です。 ※Microsoft 365およびOutlook、OneDrive、Teams、Word、Excel、PowerPoint、Microsoft FormsはMicrosoft Corporationの商標です。