クラウドストレージとは
クラウドストレージとは、インターネット上にあるサーバーにデータを保存することができるオンラインストレージのことです。通常、クラウドストレージは、ユーザーがアクセスするために必要なソフトウェアやハードウェアを自分で保有する必要がなく、インターネット接続があればどこからでもアクセスできます。
クラウドストレージを利用することで、大量のデータを安全に保存することができ、また、複数の人が同時にファイルにアクセスして編集することが可能です。
クラウドストレージを利用するメリット
クラウドストレージを利用するメリットとして、主に以下の点が挙げられます。
- 保管したデータのセキュリティ対策の負担を軽減できる
- ファイルの共有やアクセス権限の管理が簡単にできる
- ストレージ容量の拡張が容易にできる
- 運用・金銭的コストを削減できる
- 災害時の対策になる
それぞれ解説します。
保管したデータ保セキュリティ対策の負担を軽減できる
クラウドストレージを利用することで、自社でデータセンターやサーバーを保有する必要がなくなり、セキュリティ対策においての負担が軽減されます。また、データの自動バックアップや復旧機能などもクラウドストレージが提供するため、データの紛失や漏洩を防止することができます。
ファイルの共有やアクセス権限の管理が簡単にできる
クラウドストレージを利用することで、複数の人が同時にファイルにアクセスして編集することができます。また、アクセス権限の管理も簡単に行うことができるため、特定のユーザーだけが特定のファイルにアクセスできるようにすることも可能です。
ストレージ容量の拡張が簡単にできる
クラウドストレージを利用することで、必要に応じてストレージ容量を拡張することができます。これにより、企業が成長するにつれて必要なストレージ容量を柔軟に対応できるため、スケーラビリティに優れています。
運用・金銭的コストを削減できる
クラウドストレージを利用することで、自社でデータセンターやサーバーを保有する必要がなくなるため、運用コストを削減することができます。また、必要な容量だけを利用できるため、ストレージ容量の無駄遣いを防止し、金銭的なコストを削減することも可能です。
災害時の対策になる
クラウドストレージにデータを保存しておくことで、災害時のデータ損失を防げる場合があります。たとえば自社で火災が発生した場合、データを紙媒体で残していると消失してしまう可能性があります。台風などによって浸水が発生した場合、サーバーが破損し保存していたデータが消失してしまうことも考えられるでしょう。こういったリスクを回避することが可能です。
クラウドストレージを比較する際のポイント
クラウドストレージは様々なサービスがあり、それぞれ特徴が異なります。
クラウドストレージを比較する際に見るべきポイントは以下のとおりです。
- ストレージ容量・料金
- セキュリティ
- 操作性
- 追加機能
- 利用可能人数
- 運営企業の信頼性
ストレージ容量・料金
クラウドストレージのプランは無料プラン、有料プランがあります。無料プランでは容量が限られていたり、機能に制限がかかることがあります。有料プランでは大容量のストレージが利用できます。データ容量に応じて料金が増減するため、使用目的に合わせて必要なストレージ容量を選択する必要があります。
セキュリティ
クラウドストレージサービスを利用する際には、セキュリティが非常に重要な要素となります。クラウドストレージサービスに保管されるデータには、個人情報や機密情報など、様々な重要な情報が含まれます。そのため、データの保護が不十分である場合、悪意のある第三者によってデータが盗まれたり改ざんされたりする可能性があります。データの暗号化や二段階認証などのセキュリティ対策が実施されているかどうかを確認することが重要です。
また、社外からのセキュリティ対策だけではなく、社内に対しても万全なセキュリティ対策をすることが重要です。利用者認証やログ管理機能が充実したものを選択し、リスク対策を行うことが重要です。
操作性
操作性については、使いやすく、スムーズに操作できるサービスを選ぶことで、作業効率を上げることができるため重要な要素の一つです。ファイルのアップロード、共有、同期、バックアップなどの機能が使いやすくなければなりません。特に共有機能は、他のユーザーとファイルを共有する必要がある場合に重要です。
追加機能
コラボレーション機能やバージョン管理機能、自動バックアップ機能など様々な追加機能が提供されています。コラボレーション機能は、複数の人が同じファイルを編集したり、共有することができる機能です。複数の人でプレゼン資料を作成したり、チームでのタスク管理を行ったりする場合に活用されます。バージョン管理は誤ってファイルを上書きしたり、編集前のバージョンに戻したい場合などに便利です。
利用可能人数
複数人で利用することが事前に分かっている場合、クラウドストレージの利用可能人数もチェックしておきましょう。プランによっては利用可能人数が制限されていて、社内での利用社数に達していないという可能性もあります。利用可能人数と、それによる金銭的なコストを比較しながらどのクラウドストレージを使うか検討するのがおすすめです。
運営企業の信頼性
クラウドストレージを運営している企業の信頼性も重要なポイントです。ネームバリューはもちろん、しっかりセキュリティ対策を行っているか、過去に大規模な情報漏えい事故などを起こしていないかなどを調べましょう。後述する「おすすめのクラウドストレージサービス」は信頼性の高い企業が運営しているものを厳選しています。
クラウドストレージ選定の方法
クラウドストレージを選定する上で、最初にやるべきことはグループウェアの選定です。ここでは、代表的なグループウェアとして Microsoft 365 と Google Workspace を例に挙げています。会社の規模や用途にマッチしたグループウェアを選定しましょう。
次にメインとなるオンラインストレージを決定します。Microsoft 365 の場合は、OneDriveが最適な選択肢となります。OneDriveは、 Microsoft 365 に含まれているため、シームレスに利用できます。また、Office製品から直接ファイルをアップロードできるなど、使い勝手が良いのが特徴です。
Google Workspace の場合は、Googleドライブが最適な選択肢となります。Googleドライブ は、Google Workspace に含まれているため、シームレスに利用できます。また、Googleドキュメント、スプレッドシート、プレゼンテーションなどの Google 製品と連携しやすく、共同編集も簡単に行えます。
最後に、足りない要件があれば部分的に他のストレージを検討しましょう。例えば、ファイルの大容量化が必要だったり、バックアップ機能を充実させたり、音楽・動画ファイルをストリーミングしたいなど、用途によっては他のストレージも並行運用することで
最大限のパフォーマンスを発揮することができます。
以上のように、クラウドストレージ選定には、グループウェアの選定やニーズに応じたオンラインストレージの選択が重要です。企業のニーズに合わせて、最適なストレージサービスを選びましょう。
おすすめクラウドストレージサービス4選・比較
代表的なおすすめのクラウドストレージサービスとして、以下4つの製品を紹介します。
- Googleドライブ
- OneDrive
- BOX
- Dropbox
以下は各サービスの比較表です。
Google ドライブ
Google ドライブ は、 Google Workspace のグループウェアの一つとして提供されています。 Google Workspace は、企業や組織向けに設計された一連のクラウドツールであり、ビジネスの効率化やコラボレーションを促進することが可能です。 Google ドライブ はその一部であり、ファイル共有や編集、ストレージの管理などを行うことができます。
世界基準のセキュリティに対応しており、たとえば、2段階認証や暗号化による保護、不正ログインの防止があります。さらに、ユーザー ID、アクセス元の地域、デバイスのセキュリティ状況、IP アドレスなどの属性に基づいて、アプリに対する詳細なアクセス制御セキュリティポリシーを設定できるコンテキストアウェアアクセスは唯一の機能となっています。
AI や検索機能が優秀であることでも知られています。 Google は、検索エンジンで培った技術を応用して、Google ドライブ の検索機能を強化しています。また、AI 技術を活用することで、自動的にファイルを整理したり、共同編集時に自動で変更履歴を保存したりすることができます。
Google ドライブ の最大の魅力は、リアルタイムの共同編集が可能であることです。同じファイルを複数人で同時に編集できるため、チームでの作業効率が飛躍的に向上します。編集内容はリアルタイムに反映され、チャット機能を使ってコミュニケーションもできます。
OneDrive
OneDrive は、 Microsoft が提供するクラウドストレージサービスで、Office365 のグループウェアの一つとしても機能しています。Office365 は、ビジネス向けに設計されたクラウドツールの一連であり、Word、Excel、PowerPointなどのアプリケーションを利用できます。OneDrive は、この Office365 に含まれており、ファイルの管理や共有、編集を行うことができます。
世界基準のセキュリティに対応しており、データセンターへのアクセス制限や暗号化技術によるデータ保護など、高度なセキュリティ対策を実施しています。また利用者自身も、2段階認証やリモートワイプなどの機能を利用することで、セキュリティを強化することができます。
ストレージのみの利用も可能であり、Microsoft アカウントを持っている人であれば、誰でも15 GB の無料ストレージを利用することができます。また、有料のストレージプランも用意されており、1 TB から最大5 TB までのストレージ容量を選択することができます。ストレージだけでなく、写真や動画のバックアップ、共有も簡単に行うことができます。
BOX
BOX はオンラインストレージに特化したクラウドサービスです。データのバックアップや共有、アクセスをオンライン上で簡単に行うことができます。オンラインストレージに特化しているため、その分、セキュリティや権限設定などの面でも高い品質を提供しています。ISO 27001などのセキュリティ基準をクリアしており、データの暗号化やアクセス制限、ログの取得など、高度なセキュリティ対策を実施しています。また、BOX では、セキュリティに対する取り組みを透明性の高い形で公表しており、ユーザーに信頼性の高いサービス提供を行っています。
BOX は7種類の権限設定が可能です。BOX を利用する際には、ファイルやフォルダに対して権限を設定することができます。たとえば、閲覧のみ、編集のみ、ファイルの削除を許可するなど、細かな権限設定が可能です。
BOX の最大の魅力は容量無制限のストレージです。利用者が必要なだけストレージを使うことができるため、データの増加にも柔軟に対応することができます。これにより、BOX を長期間利用する場合でも、安心して利用することができます。
Dropbox
Dropbox もオンラインストレージに特化したクラウドサービスです。セキュリティや同期の精度などの面でも高い品質を提供しています。
データの暗号化やアクセス制限、ログの取得など、高度なセキュリティ対策を実施しています。また、Dropbox は、セキュリティに対する取り組みを透明性の高い形で公表しており、ユーザーに信頼性の高いサービス提供を行っています。
Dropbox は、専用の同期ツールの精度が高いため、ファイルの共有や同期に優れています。たとえば、データを更新すると、Dropbox は自動的にクラウド上にアップロードされ、同じアカウントにログインしている他のデバイスでも自動的に同期されます。そのため、複数の端末を使用している場合でも、常に最新のデータを使用することができます。
直感的にわかりやすい UI も特徴的です。ユーザーは、直感的に操作できるため、簡単にファイルのアップロードやダウンロード、共有、同期などを行うことができます。また、Dropbox には、多彩な機能が搭載されており、ユーザーは自由にカスタマイズすることができます。
まとめ : クラウドストレージを導入して生産性を高めよう
クラウドストレージを導入することには、以下のようなメリットがあります。
- 保管したデータのセキュリティ対策の負担を軽減できる
- ファイルの共有やアクセス権限の管理が簡単にできる
- ストレージ容量の拡張が容易にできる
- 運用・金銭的コストを削減できる
- 災害時の対策になる
クラウドストレージを導入することでデータの管理やセキュリティ対策にかかる負担を削減でき、生産性を高めることも可能です。
本記事で紹介したおすすめのクラウドストレージなどを参考に、ぜひ導入を検討してみてください!
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